・無印ZBrushを始めるのに、どの本から読めばいいのかな?
・フィギュアを作ってみたいんだけど、この本を読んだら作れるようになるのかな?
・ZBrushの教則本って沢山でてるし、どれも高くて迷ってるんだけどこの本はどうなんだろう。
結論から言うと、この本は買いです。
私は2019年7月に「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」(略称:ウチヤマ本)を購入しましたが、ワンフェス2020冬に出展したガレージキット(フィギュア)制作にとても役に立ちました。
ウチヤマ本の手の作り方をやっています。zmodelerの練習にウチヤマ本は最適です。榊本の前にウチヤマ本をやればよかったのかも pic.twitter.com/Pi8t7h3rFC
— relaxo@しましま姉妹 (@relaxo_tbc) August 19, 2019
無印ZBrushを開始した際に、榊本⇒ウチヤマ本で学習をした私から言いたいことは……
無印ZBrush学習者は「ウチヤマ本⇒榊本」のルートを選んでほしい! ということです。
理由は榊本はZBrush中級者を対象としているからです。ウチヤマ本でZBrushの操作感に慣れてからの方が学習がスムーズになります。
特に
・購入者特典でダウンロードできるブラシがすごい!
・形状の投影Projectionの説明が分かりやすい。
・Zmodelerのよく使う機能の説明がめちゃめちゃ分かりやすい。
の3点がとくに素晴らしいです。
ただ、ちょっとしたデメリットもあるのは事実。
今回はメリット、デメリット含めて「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」のレビューをしていきたいと思います。
「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」で学べること
書影の女の子のイラストのフィギュアを一冊とおして作っていきます。
学べることを列挙すると、
- 設定画をグリッドに貼りつける
- ペイントの転写
- スネークフックブラシの使い方
- 形状の投影
- Zmodelerの使い方
- 板ポリからの靴の作り方
- トランスポーズマスター
- ブラシカーブの制御
- ポリグループマスクの転用
- フリルの作り方
- ブーリアン
- デシメーションマスターの使い方
こんな感じです。
初心者がつまづきやすいポイントがまとまって記載されているので便利です。
このブラシがすごい! DTRフリル、ヘアブラシの紹介
「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」を購入すると、カスタムブラシがダウンロードできます。とても便利なのでオススメです。
・DTR_Cloth(服の皺などをいれるブラシ)
・DTR_Cloth_H(エッジの効いた皺をいれるブラシ)
・DTR_Cloth_S(Cloth_Hより山が反っていれられる)
・DTR_Frill(フリルをつくる)
・DTR_Hair(髪の毛をつくる)
この5種類が入っています。
とくに「DTR_Frill」と「DTR_Hair」を愛用しています。
「DTR_Frill」はスカートのフリルやジャボタイをつくるのに使っています。
「DTR_Hair」は髪の毛につかいたいIMMブラシが5種類も入っているので、これを使い分ければ大体の髪型は作れちゃいます。
「DTR_Hair」をつかった作例です。
何がいいって分割数が少ないのでローポリ感覚で髪の毛が作れてしまうこと! すごく使い勝手がいいです。
おもなZmodelerの使い方が実例つきで学べる
ZBrushの便利機能の一つであるZmodeler。でも機能がたんまりとあるので、どれをどう使ったらいいのか分からない……
そんな悩みを「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」では、実例つきで学べます。
よく使うもの、便利なものが紹介されてます。
- POLYGON ACTION→押し出し
- POLYGON ACTION→トランスポーズ
- EDGE ACTION→閉じる
- POLYGON ACTION→削除
- EDGE ACTION→クリース
- EDGE ACTION→スライド
- POINT ACTION→スプリット
- POLYGON ACTION→Qメッシュ
- POLYGON ACTION→インセット
- EDGE ACTION→ブリッジ
- POINT ACTION→接続
フィギュアをつくったりするのに頻出の機能がまとまっています。
Zmodelerが使えるようになると、ロボットやメカみたいなハードサーフェスも気兼ねなく作れるようになるし
洋服のベースなんかもローポリで作り始められるし、コントロールもしやすいのでオススメ機能です。
Zmodeler+DynamicSubdiv の組み合わせが使えるようになると、表現の幅が広がります。
初心者のつまづきポイント「投影Projection」の説明が分かりやすい
何度もやり直しているチャックなのですがシンプルデザインに落とし込んでもやっぱりグチャグチャになる💦
ということで!プロジェクションを試してみました。
ダイナメッシュは最大にしてから、元形状のものでプロジェクションしたら、形を戻してくれました。この方法はアリ!#zbrush pic.twitter.com/VeqRkvL2U6— relaxo@しましま姉妹 (@relaxo_tbc) April 1, 2020
形状の投影projectionって……使いこなせればめっちゃ便利なんですが、少し分かりづらいんですよね。
上記のようなダイナメッシュになると形が甘くなってしまうメッシュを、投影で形を維持したりできるのでオススメ機能です。
「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」では、投影の方法が詳しく記載されています。
手順がうろ覚えな時は、「形状の投影 78p」を開きながら実践していました。
フィギュアの瞳の作り方
スポットライトからの転写で瞳をつくる方法が載っています。
本では、ZBrushのポリペイントで描く→転写できるように瞳をpsd保存→スポットライトで再び転写する……という手順なのですが、私は「転写できるように瞳をpsd保存」したあとにPhotoshopに持って行って瞳をクリンナップして戻しています。
図で解説すると、こんな感じ。
ZBrushのポリペイントでアタリと取ります。
Photoshopに持って行ってアタリをクリンナップします。
スポットライトをつかって転写しました。
スポットライトの転写が使えるとマジで便利。
ウチヤマ本では「スポットライトの転写の仕方」「転写の際に位置がずれないようにするコツ」などが載っています。
「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」のデメリット
困ったな、と思ったところは
・分割、嵌合に関しての記載がない
・石膏出力までのワークフローしかない
この2点です。
それは私のゴールが「ワンフェスに出て分割されたガレージキットを販売する」ことだったので、そう思いましたが……
「3D出力はしない」「分割しないで一体型で出力したい」「フルカラー石膏で出力したい」と考えているのであればこの1冊で必要な情報は得られます。
分割、嵌合そしてアクリルに3D出力してから磨きなどを知りたいと思ったら別の本が必要になります。
まとめ:無印ZBrush初心者に向けてウチヤマ本はおすすめ!
結論は、無印ZBrush初心者初心者なら「作って覚える!ZBrushフィギュア制作入門」はオススメってことです。
・初心者がフィギュアを作成するワークフローが学べる
・Zmodelerの解説が神
・購入者特典のブラシが最高
初心者には必要な知識がまとまってるオススメな本です。いまでも分からないことがあったら、すぐに開けるようにメッチャ手元に置いてます。