どうもこんにちは、relaxo(@relaxo_tbc)です。
この本の続編である「小物・ミニチュア作りのためのZBrushCore超入門講座」を今回はレビューしたいと思います。
「ZBrushCore超入門講座」に慣れてきた頃に手にとった本になります。
初心者には、サブディヴィジョンやら少ないエッジで構成する造型に慣れる良書かと思います。
この本が向いてる人
・ZBrush初心者(3DCGにちょっと不慣れ)
・ZModelerに少し躓いている
初心者だけでなく、ZModelerの扱いやら概念に慣れるのに良い内容となっています。
この本にはCore対象なのでZModelerについての記載はないのですが、ZModelerに応用できる基礎的な考え方がめちゃめちゃ分かりやすく学べるので、ローポリゴンモデリングの素地を作ることができるかと思います。
本の中で同じ機能を繰り返し使用するので、作品を作り進めながら復習も出来てしまうのです!
Coreじゃなくても無印ZBrushでもオッケーな内容となっています。
「Dynamic SubDiv」の機能が無印ZBrushにはあるので、サブディビジョンレベルを持たせるところで、「Dynamic SubDiv」を使ってもいいです。
むしろ使って「Dynamic SubDiv」の使用感を自分の中に染みこませるのがいいんじゃないかと!
「小物・ミニチュア作りのためのZBrushCore超入門講座」から学べること
・クマ(3Dギズモの操作)
・キャビネット(立方体を組み合わせて家具をつくる。3Dギズモ)
・テーブル(マスク+3Dギズモをつかって装飾をいれる)
・T字(マスク+3Dギズモをつかって分割線を増やす。面を引き出す)
・ゴシックな椅子(マスク+3Dギズモで面を引き出して手すりをつくる)
・猫カバン(マスク+3Dギズモで欲しい形に寄せる方法)
・バイク(イニシャライズから欲しい形をつくる)
重要なところを抜き出してみました。
例をあげてみると……
ゴシックな椅子(マスク+3Dギズモで面を引き出して手すりをつくる)
を、使って雪駄の鼻緒をつくることができました。
欲しい面以外をマスクして、面を引き出して行くのです。
バイク(イニシャライズから欲しい形をつくる)
またバイクの作り方を通して分割線をどこに入れるといいのかな?
という視点を得ることができました。
バイクのハンドルをサブディビジョンで作成。fusionピザ会のモデリングコンテストの際に、めちゃウママンが先に設計図を紙に書いてから作成しておられるのを見て、面の分割の設計図を書いてみました。いきなり作り出すよりは効率的ですな。#zbrush pic.twitter.com/Nozx9bpyyg
— relaxo@しましま姉妹 (@relaxo_tbc) January 8, 2019
紙に先に書いて考えるのは、今でも形状を捉えるのに使っている手法です。
猫カバン(マスク+3Dギズモで欲しい形に寄せる方法)
それから自分的にこの本のキモは「猫カバン」だと思っているので、この章だけは5回ほど繰り返しました。
立方体から分割線をマスキングして、3Dギズモをつかって欲しい形を作っていくのです。
Dynamic SubDivをオンにしたものがコチラ。
ローポリゴンモデリングの概念を学ぶのに最適な章なんじゃないかな~って思っています。
この猫カバンは最近作ってみました。(ZBrush2020使用)
今、作ってみても「小物超入門」から学べることがあるな~って思いました。
・3Dギズモ+マスキングで欲しい形をつくることができる。
・ZModelerの考え方に近いので、自分の中での手数が増える。
欲しい形に寄せる方法のパターンが増やせるのがいいですね。
道はひとつじゃなくて、色んな方向から欲しい形にアプローチすることができる!
そんなことを教えてくれる良書なんですよね~
「自分にもできる!」と自信がつくし、「この方法を応用すれば作りたい形に近付けられる!」といった道しるべにもなるんです。
それから「3Dギズモ」の操作方法、各アイコンの説明なども分かりやすいので、あんまり3Dギズモ使ったことないな~って方にもオススメです。
ムーブブラシよりも、より均一な形で変形させられるので、これを機に3Dギズモの民へ仲間入りすることをオススメいたします~
まとめ:ローポリゴンモデルの学習に最適!
ものを作る(3D)には
①木彫りのクマタイプ(ブラシで一刀彫して彫りだしていく)
②積み木タイプ(円柱や立方体を組み合わせてから形を寄せていく)
という2パターン(他にもあるかもですが)があるかと。
「欲しい形へのアプローチ」は自分の得意なパターンに合わせていくのがいいのかな~と思います。
リラックソ本人は、「積み木タイプ」なのでシンプルな形状を組み合わせて作っていくのが自分には合っています。
「小物・ミニチュア作りのためのZBrushCore超入門講座」は、そんな「積み木タイプ」の方が学んでいくには最良のテキストかと思います。
分割線が少ない状態で形をつくっていくので「ローポリゴンモデリング」を学ぶことができるからです。
「木彫りのクマタイプ」の方にもメリットはあります。
ZBrushでの手数が増えるので、欲しい形へのアプローチ方法が増えるのは、手詰まりになった時の突破口になることかと。
また紹介された機能は、本の中で何回も何回も出てきてくれるので、学びながら復習もできてしまう構成になっています。
ZBrushに慣れた今となっても、新しい視点を与えてくれる良書です!
著者である「のぶほっぷ福井信明」先生は2020年4月に急逝されています。
まだご指導を仰ぎたいことが沢山あったのにと痛惜の念でいっぱいです。心からご冥福をお祈りいたします。